中小企業のキーワード調査 ー 無料ツールだけで始める実践ガイド
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中小企業のキーワード調査 ー 無料ツールだけで始める実践ガイド

虫眼鏡でデータを調べるビジネスパーソンと、検索やグラフを示す幾何学的図形を組み合わせた平面ベクトルイラスト

SEOに本腰を入れようとしたとき、多くの中小企業がぶつかる壁は「何から手をつければいいかわからない」ことです。専任担当者もなく、大きな予算もない。それでも正しいキーワードを選べば、大手に並ぶ検索流入を少ない記事数で実現できます。本記事では、すべて無料ツールで完結するキーワード調査の流れを、初心者でも迷わない5ステップで解説します。

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なぜキーワード調査を後回しにしてはいけないのか

SEO担当者を別に置いている中小企業はほとんどいません。マーケティング兼任の社員か、経営者自身が手を動かしているケースがほとんどです。

限られた時間で結果を出すには、記事を量産するより先に「どのキーワードで戦うか」を決めることが重要です。理由は3つあります。

  1. 誰も検索しないキーワードで書いた記事は、どれだけ丁寧に仕上げても流入ゼロです。需要のあるキーワードを選ぶだけで、少ない記事数でも着実に集客できます。

  2. 大企業が手を出していないすき間のキーワードは、競合が少ないぶん費用をかけずに上位表示を狙えます。そういったニッチを見つけるのも、キーワード調査の大事な役割です。

  3. ユーザーが何を求めて検索しているかを把握できると、記事を読んだ人が問い合わせや購入につながる確率(コンバージョン率)が上がります。

まず使いたい2つの無料ツール

ラッコキーワード

ラッコキーワードは、入力したキーワードをもとにサジェストワード・関連ワード・Yahoo!知恵袋などのQ&Aデータをまとめて取得できるツールです。「キーワード調査」と入力するだけで、「キーワード調査 やり方」「キーワード調査 無料」「キーワード調査 初心者」といった候補がずらっと並びます。「全キーワードコピー(重複除去)」ボタンでまとめて取得するか、CSVでダウンロードして次のステップに使います。

無料で使えますが、利用回数に制限があります。未ログイン(ゲスト)の場合は1日5回、無料会員登録後でも1日20回までです。また、無料版では検索ボリュームの確認ができません。各キーワードが月に何回検索されているかは、次に紹介するキーワードプランナーで確認する必要があります。

Googleキーワードプランナー

GoogleキーワードプランナーはGoogle広告に付属する無料ツールで、月間検索ボリューム・競合性(高/中/低)・関連キーワードの候補を調べられます。利用にはGoogle広告アカウントの開設とお支払い情報の登録が必要です。

ラッコキーワードで集めた候補リストをここに貼り付けると、各ワードの検索ボリュームと競合性を一覧で確認できます。「検索ボリューム100〜1,000・競合性が低いキーワード」を優先的に残すと、後の絞り込みがスムーズです。

無料版ではボリュームが「100〜1K」のように幅のある表示になります。正確な数値が必要な場合は有料ツールと組み合わせてください。

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なぜロングテールキーワードを狙うのか

ロングテールキーワードとは、3語以上で構成される検索ボリュームの少ない具体的なワードのことです。「ダイエット」(月間数十万件)に対して「40代 女性 ダイエット 食事 簡単」(月間数百〜千件程度)がその例です。検索全体の70〜80%がこうしたロングテールで占められています(出典によって数字は異なります)。

比較項目

ビッグキーワード

ロングテールキーワード

検索ボリューム

多い(万〜十万)

少ない(百〜千)

競合の強さ

非常に強い

弱い

上位表示の難しさ

高い

低い

コンバージョン率

低い

高い(約2.5倍以上)

中小企業の適性

「ダイエット」で検索する人はまだ情報を集めている段階ですが、「40代 女性 ダイエット 食事 簡単」で検索する人は具体的な解決策を探しており、サービスや商品の購入につながりやすいです。Conductor社の調査によると、ロングテールキーワードのコンバージョン率はビッグキーワードの約2.5倍とされています。

ロングテール記事を複数作って内部リンクでつなぐと、親記事(ピラーコンテンツ)の権威性が高まり、ビッグキーワードでの順位も上げやすくなります。これをトピッククラスター戦略と言います。

検索意図を確認してからキーワードを決める

検索意図とは、ユーザーがそのキーワードを入力した目的のことです。「コーヒー」ひとつとっても、作り方を知りたい人と通販で買いたい人とでは必要な記事がまったく違います。検索意図とずれたコンテンツはGoogleに評価されにくく、上位表示が難しくなります。

検索意図は大きく4種類に分けられます。

分類

ユーザーの目的

キーワード例

KNOWクエリ(情報収集型)

知識や情報を得たい

「キーワード調査 とは」「SEO 意味」

GOクエリ(案内型)

特定のサイトや場所に行きたい

「ラッコキーワード ログイン」「Google Analytics」

DOクエリ(実行型)

何かを操作・実行したい

「キーワード調査 やり方」「WordPress 設定方法」

BUYクエリ(購買型)

商品・サービスを購入したい

「SEOツール おすすめ」「キーワード調査ツール 比較」

狙うキーワードをGoogleで実際に検索して、上位1〜5位のページを確認してみてください。記事(ブログ)か商品ページかランキングページか、見出し構成はどうなっているか、FAQのリッチリザルトが出ているかどうか。これを見るだけで、どんな形式・内容の記事を書けばよいかが見えてきます。

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競合とキーワード難易度を調べるツール

Ubersuggest

Ubersuggestは検索ボリューム・SEO難易度(SD)・広告競争の強さ(PD)・競合サイトの流入キーワードを調べられるSEOツールです。

無料版は1日3回しかキーワード検索ができません。あらかじめ調べたいワードをリストアップしてからまとめて確認するようにしてください。Chrome拡張機能版であれば無料で1日40回まで使えるため、回数が足りない場合の代替手段になります。

SEO難易度(SD)は以下を目安にしてください。

スコア

難易度

対象

0〜29

新規サイト・初心者向け

30〜49

ある程度の記事数がある中級者向け

50〜74

強いオーソリティが必要

75〜100

非常に高い

上位企業・メディアのみが競争できるレベル

ruri-co(ルリコ)

ruri-coはCROCO株式会社が提供するキーワード分析ツールで、複数キーワードの類似率(関連性の強さ)を無料で可視化できます。「キーワード調査 初心者」と「キーワード調査 やり方 無料」の類似率が高ければ、1記事にまとめて対策できる可能性があるといった判断に使えます。アカウント登録不要でそのまま使えます。2026年3月からは競合分析機能を含む有料Proプランも提供されています。

新規サイトは難易度30未満のロングテールから始め、記事が20本を超えたら難易度30〜50の中規模キーワードへ、50本を超えたら難易度50以上のメインキーワードへ段階的に移行するのが現実的なペースです。

キーワード選定の5ステップ

すべて無料ツールだけで進められます。

ステップ1:ターゲットを絞る

最初に「誰の悩みに答えるか」を決めます。ペルソナと呼ばれる顧客像の設定です。年齢・職業・抱えている課題・使う検索ワードのクセをざっくり決めるだけで十分です。

たとえば地域密着の会計事務所なら、「40代・小売業経営者・税務申告のやり方がわからない・スマホでGoogle検索している」というペルソナから「個人事業主 確定申告 やり方」「青色申告 初めて 書き方」といったキーワードが浮かびます。ここを曖昧にすると、後のキーワード選びがブレます。

ステップ2:軸になるキーワードを3〜5個決める

ペルソナをもとに、自社の中心事業に直結するキーワードを3〜5個選びます。抽象的すぎず、具体的すぎないくらいの粒度が理想です。

  • 会計事務所:「確定申告」「青色申告」「法人税 申告」

  • 整骨院:「腰痛 治療」「肩こり 改善」「整骨院 保険」

ステップ3:ラッコキーワードで候補を100〜200個集める

ステップ2のキーワードをラッコキーワードに入力し、サジェストと関連ワードをCSVでダウンロードします。無料会員登録をすると1日20回まで使えます。この段階では絞り込まず、まず量を集めることを優先してください。

ステップ4:キーワードプランナーでボリュームと競合性を確認する

集めた候補リストをGoogleキーワードプランナーで確認します。

  1. Google広告アカウントにログイン

  2. 画面上部の「ツール」メニューから「キーワードプランナー」を選択

  3. 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択

  4. キーワードリストを貼り付けて確認

  5. ボリュームと競合性でソート・フィルタリング

月間検索ボリューム100以上・競合性が低〜中のキーワードを優先し、リストを20〜50個程度に絞り込みましょう。

ステップ5:検索結果を見て記事の方向を決める

SERP(Googleの検索結果ページ)を実際に確認します。絞り込んだキーワードを検索して、上位1〜5位のページを見てください。

  • ページタイトルと見出し構成はどうなっているか

  • 記事・商品ページ・ランキングのどの形式が並んでいるか

  • FAQのリッチリザルトは出ているか

  • 自社が情報量・専門性の面で勝てそうか

ここで「戦えそう」と判断したキーワードだけを記事化の対象にします。5ステップを通すと、どのキーワードから参入すればいいかが自然と絞れます。

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ロングテール記事を積み上げてビッグキーワードへ

ロングテール記事が増えてきたら、内部リンクで親記事(ピラーコンテンツ)につなぐ構造を整えましょう。たとえば会計事務所なら次のようなイメージです。

【親記事】確定申告の完全ガイド
   ├─【子記事】青色申告と白色申告の違い
   ├─【子記事】個人事業主の経費として認められるもの一覧
   ├─【子記事】確定申告 期限・スケジュール
   └─【子記事】freee と マネーフォワード 比較

子記事がそれぞれロングテールで上位に入ることで親記事へのリンクが集まり、ビッグキーワードでの順位も上がっていきます。あるテーマについて記事が体系的に揃っているサイトをGoogleは専門性が高いと判断する傾向があり、これを「トピカルオーソリティ」と言います。

SEOの成果が出るまでには時間がかかります。Googleは公式に「通常は4ヶ月から1年かかる」と述べており、新規サイトはさらに長くかかるケースもあります。ただ、ロングテール記事を地道に積み上げたサイトは、広告費ゼロで安定した流入を長期間維持できます。

時期

取り組み

期待できる変化

〜3ヶ月

ロングテール記事を月4〜8本公開

記事がインデックスされ始める

3〜6ヶ月

内部リンク整備・記事のリライト

ロングテールで流入が発生し始める

6〜12ヶ月

中規模キーワード記事を追加

複数記事から安定した流入が続く

12ヶ月〜

ピラーコンテンツの強化

ビッグキーワードへの挑戦が現実的になる

競合状況やサイトの状態によって個人差は大きいため、あくまで参考値として見てください。

はじめの一歩

5ステップをすべて完璧にやろうとすると動けなくなります。まずは自社に関係するキーワードを1つ決めて、ラッコキーワードで候補を出し、キーワードプランナーで検索数を確認するだけでも十分です。手を動かしながら感覚をつかむほうが、記事を読み返すより早く上達します。